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『十二人の死にたい子どもたち』が話題に上る7つの理由

扱うのは世界共通のテーマ:命

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昨年11月、堤幸彦監督の最新作『十二人の死にたい子どもたち』の予告編が公開されると、視聴数は24時間で600万件に達した。この件数は、ワーナーブラザースジャパンが公開したトレーラーの視聴数中過去最多で、『銀魂』や『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』などのメガヒット作予告編視聴数をも上回った。

世間が注目したのも無理はない。ショッキングなタイトル、豪華キャスト、ミステリー物のプロット、謎が散りばめられた予告編-本作には関心を引く要素が全て揃っている。「若者の自殺」という衝撃的なテーマも、近年テレビや文学作品で多く扱われる悲痛なトピックだ。『十二人の死にたい子どもたち』は、多様な角度から捉えたダークな主題を、巧みに編成されたストーリーと驚きの結末、そして素晴らしいグループ演技を通して追求する。まだ鑑賞していない人は、是非以下の7つの見所に注目し、作品とそれに込められたメッセージについて理解を深めてほしい。

1. 現実の社会問題の反映

日本では長らくの間、毎年何万人もの命が失われる自殺という現代社会における問題が深刻な状況にある。過労、健康問題、社会的プレッシャーなど、自ら命を絶ちたいと考えるに至る原因は多数にある。最新のデータによると、自殺者数は一時期に比べ大きく減少してはいるものの、日本の自殺率は未だ高い。2003年度、国内自殺者数は34,427人でピークに達し、日本語の「過労死」という言葉が世界でも注目された。その後様々な自殺対策計画の導入により自殺率は徐々に低下し、2018年度には20,840人に減少した。

しかしその一方、同年、憂慮すべき別の事実も発表された。10歳から19歳までの未成年の自殺者数が過去最多の599人に達したのだ。最も多かった動機は「学校問題」、次いで「健康問題」と「家庭問題」が挙がった。いじめ、交友関係の問題、将来に対する不安などが、近年ニュースとなった10代の自殺動機だ。『十二人の死にたい子どもたち』では、様々な背景を持つ12人の若者が集団自殺で共に命を断つため、廃病院に集まる。それぞれが死にたい理由を明かし始めると、若者が抱える問題が時に想像以上に深刻であるということに気付かされる。

2. 驚きの展開を迎えるサバイバルゲーム

死にたい12人の少年少女たちは、企画者である15歳のサトシの指示で、集合場所に到着した順に数字を手にする。しかし彼らは皆一人一人、そこに着いてから何かしら妙な気配に気付いている-真新しいタバコの吸い殻、椅子で止められたエレベーター、女子トイレで見つかった男性物の靴。何かが起こりそうな気配が立ち込めている。12人全員が集合場所の部屋に集まると、そこで発見されたのは13人目の人物。この人物は既に死んでいるようであり、グループの一員ではない。12人が、もしかすると自分は自殺するのではなく、殺されるかもしれないと気付くと同時に、本作はサバイバルゲームと化す。この時点で全員が怪しい。物語が進展するにつれ、このサバイバルゲームは驚きの結末に向かう。どの登場人物も想像しなかった予想外の展開だ。

©2019 12 Suicidal Teens Film Partners
©2019″12 Suicidal Teens”Film Partners

3. 話題のクリエイター2人のコラボレーション

本作は、2016年に発表され、直木賞(第143回)にノミネートされた冲方丁の同題名小説が原作となっている。冲方丁は、『マルドゥック・スクランブル』、『シュヴァリエ 〜Le Chevalier D’Eon〜』、『PSYCHO-PASS サイコパス 2』、『PSYCHO-PASS サイコパス 3』等の話題作で知られる小説家でアニメ脚本家だ。本作の堤幸彦監督は、『トリック劇場版 ラストステージ』、『悼む人』、そして昨年公開の『人魚の眠る家』など数多くの映画やテレビドラマを手掛ける映画監督。最後の5分で全てが覆される、2015年公開の映画『イニシエーション・ラブ』を成功させた堤は、再度ギリギリのところでどんでん返しが起こる作品を制作しようと計画。そこで出会ったのが冲方丁の小説であった。

4. 人気上昇中の若手俳優たち

堤監督は本作のため、個人でもグループでも演技が光る、圧倒的な個性を持った俳優陣を集めた。まずリストアップしたのは以下の6人-杉咲花(『パーフェクトワールド 君といる奇跡』、『湯を沸かすほどの熱い愛』)、新田真剣佑(『ちはやふる1、2、3』『東京喰種 トーキョーグール【S】』)、北村匠海(『君の膵臓をたべたい』)、高杉真宙(『虹色デイズ』)、橋本環奈(『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』)、そして黒島結菜(『呪怨 -ザ・ファイナル-』)。脚本を読み、6人全員すぐにオファーを快諾した。残る6人の古川琴音(ミツエ)、渕野右登(ケンイチ)、萩原利久(タカヒロ)、坂東龍汰(セイゴ)、吉川愛(マイ)、竹内愛紗(ユキ)はオーディションで決定した。終始寝たきりのゼロバンを演じるのは、俳優でモデルのとまん。

5. 若者が直面する悩みの描写

本作の登場人物には全員に死にたい理由がある-憎悪、罪悪感、欲、弱さ、絶望、復習、非情、執着心、虚偽、歪んだ性格、仕返し、疑心。1人1人のストーリーが明らかにされる中で、共感できるものもできないものもあるだろう。若者の自殺動機で最も多いのがいじめだが、作中でもいじめは重要なテーマとして扱われている。登場人物の1人は、衝動的に男子を階段から突き落として危害を加えてしまったことに対する罪悪感から自殺を志願している。また別の登場人物は、名声の裏側について語る。スポットライトを浴び、自身を「作られた人間」であると感じる彼女は、一生懸命作り上げたはずの華々しい人生の犠牲になっているのだ。作中で描かれるのは、若者が抱えるリアルな悩みであり、手を差し伸べるためにはまず理解を深めなければならない。

6. 必ずしも暗いわけではない自殺願望を抱く若者の姿

自殺願望がある人は皆暗い表情で憂鬱そうにしているというのは、大きな誤解だ。そしてこの誤解こそが、「そんな風には見えなかった」と多くの人に言わせ、助けを必要とする人に救いの手が差し伸べられない大きな原因の一つである。作中の登場人物は、自殺願望があっても全く普通の見た目をしている人もいるということを教えてくれる。だがあるとき突然、多くの謎を残していなくなってしまうのだ。ケンイチ、マイ、そしてサトシとミツエも、この誤認を打ち砕き、笑いや安定した様子というのが極度の脆弱性の現れである可能性があることを教えてくれる。

7. 命について考えさせられるストーリー

自殺を題材とする映画で、ここまで生について考えさせられるものは珍しいのではないだろうか。予想外のエンディングを迎え映画が終わると、すぐにでも人生一刻一刻楽しむことを始めなければと思わされる。本作を観て生まれるのは、今までになかった新たな死生観-もし突然勝手に命を奪われそうになったら、何としてでも守りたい、という心理だ。作品の最後の5分間は、命あるうちに生に感謝するという内容であり、それこそが、映画『十二人の死にたい子どもたち』が登場人物たちのような未成年に送る最も切実なメッセージである。

 

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【キャスト】
杉咲花 ── アンリ
新田真剣佑 ── シンジロウ
北村匠海 ── ノブオ
高杉真宙 ── サトシ
黒島結菜 ── メイコ
橋本環奈 ── リョウコ

【監督】
堤幸彦

文:ローズ・ハネダ

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