TOP > ALL > GENERAL > 映画祭でも絶賛! 2019年公開の低予算日本映画4選
GENERAL

映画祭でも絶賛! 2019年公開の低予算日本映画4選

『カメラを止めるな!』に続く、低予算で成功した日本映画

MULTIPLE LANGUAGE
  • English
  • Bahasa Indonesia
  • 日本語
  • ភាសាខ្មែរ
  • Bahasa Melayu
  • ဗမာစာ
  • ไทย
  • Tiếng Việt
  • 简体中文

近年、映像分野における現代技術は我々の想像を超える発展を遂げてきた。巨大なスクリーンから手のひらに収まるスマホまでまで、様々な画面を通しての映画鑑賞が可能となった上、一つ一つの色や形に命が吹き込まれたかの様な映像には驚かされるし、画面を超えてキャラクターの息遣いや汗、動きなどを感じることまでできる。また、技術の発展に伴って可能になったことがもうひとつある。大きな映画会社の援助がなくても映画制作ができるようになったことだ。これは、新進気鋭の映画監督やインディペンデント映画界にとって非常に幸せなことである。インディペンデント映画とは一般的に、大規模なスタジオやスポンサーの援助なしに低予算で製作、プロデュース、配給される映画を指す。クリエイターの芸術的ビジョンが自由に探求されていたり、従来の映画では難しい境地に踏み込んでいたり、大胆または奇想天外なストーリーだったりと、独特の魅力を持つ。そしてそのような低予算のインディペンデント映画は、時に驚きの展開を見せてくれる。例えば、”制作費300万円”、”知名度の低いキャスト”、そして”8日間の撮影”で仕上げられた2017年公開の『カメラを止めるな!』は、国内興行収入31.2億円、世界では3050万ドルを記録した。同作以外にも多数の例があるが、今回はその中から4作品をご紹介しよう。

1.岬の兄妹, 2018

身体障害を持つ良夫と重度自閉症の真理子は、ボロボロの小さな部屋で世間の目から逃れるようにして暮らす兄妹。しかしある日、真理子がお札と性行為の痕跡とともに帰宅したことで、職を失ったばかりの良夫は試されることに。妹のこの状況を利用するのか——?映画の視聴者にとっては重くのしかかるが、兄の選択した道で当の真理子は生き生きとし始め、変わっていく——。300万円の費用で製作された『岬の兄妹』は、片山慎三監督の長編デビュー作であり、編集、プロデュース、脚本は全て監督が自ら手がけた。本作は当初、国内6つの映画館でのみ上映予定だったが、公開1ヶ月で興行収入は1500万円に上った。2020年にアカデミー賞受賞で話題を集めた『パラサイト』(2019)のポン・ジュノ監督も「傑作」と評価(片山監督は『TOKYO!』(2008)、『母なる証明』(2009)に助監督として参加)。セクシュアリティー、犯罪、暴力、障害などの難しいテーマに新たな風を吹き込む。

キャスト:松浦裕也、和田光沙
監督:片山慎三

2.僕はイエス様が嫌い, 2018

当時22歳の奥山大史監督が低予算の中、8日間で撮影した自身初監督作品『僕はイエス様が嫌い』は、祖母と暮らすため田舎に引っ越してきた小学生・ユラの物語。礼拝が日課のミッション系の学校に転校し、慣れない習慣に戸惑うが、神の存在に疑問を持ち始めたある日、小さなイエス様がユラの前に現れ祈りに応える。なんでも願いを叶えてくれていたのだが、そんな嬉しいことがいつまでも続くわけはなく、ユラは再び疑問を抱く——「神様って本当にいるの?」と。奥山監督が在学中に撮影した本作は、数々の国際映画祭で評価され、第66回サンセバスチャン国際映画祭では最優秀新人監督賞を受賞した。

キャスト:佐藤結良、大熊理樹、チャド・マレーン
監督:奥山大史

3.火口のふたり, 2019

白石一文の2012年出版小説『火口のふたり』の映画化で、ベテラン脚本家・荒井晴彦が初メガホンを取った映画。2011年の東日本大震災発生直後に執筆された同小説は、大災害に直面した時にどうするか、また誰と一緒に最期の時を過ごすかを問う。映画化された本作は、数日後に結婚式を控えたある日、昔の恋人・賢治と再会する直子を追う。2人が過去を懐かしく振り返る中、直子は倫理に叛き、あの頃に一晩だけ戻ってみないかと賢治を誘う。しかしそこで気付くのは一晩では足りないということ、そして「終わり」が近づいた時、本能が大きく影響を及ぼすということであった……。全編でキャストは2人だけの『火口のふたり』は、低予算だが大注目のエロスの物語。幸福について思考する中で、自由に生きるということについて改めて考えさせられる。

キャスト:瀧内公美、柄本佑
監督:荒井晴彦

4.メランコリック, 2018

田中征爾監督のデビュー作『メランコリック』は、たった300万円の製作費用とフルタイムで働きながらの限られた時間で制作された新感覚のジャンル・ミックス映画。2018年に東京国際映画祭で上映されると、たちまち日本映画スプラッシュ部門監督賞を受賞し、複数の国際映画祭への切符を手にした。主人公の和彦は、東大卒で現在ニート、人付き合いが下手で親と同居中。将来の計画もなく、近所の銭湯で接客やタイル掃除のアルバイトを始める。しかしある日、その銭湯は閉店後殺人の現場となることを知り、遺体の片付けが仕事となった和彦の生活は一変する。3人の新進気鋭のクリエイター(田中監督、主人公兼プロデューサーの皆川暢二、俳優の磯崎義知)で創り上げた、ダークな内容と巧みなストーリーテリングで魅せる本作は、近年でもっとも観る価値のある日本映画の1つだ。

キャスト:皆川暢二、磯崎義知
監督:田中征爾

Japanese Film Festival 開催情報はこちら

*『岬の兄妹』:2019年オーストラリア日本映画祭上映作品
*『僕はイエス様が嫌い』:2019年シンガポール日本映画祭上映作品
*『メランコリック』:2019年オーストラリア日本映画祭上映作品

文:ローズ・ハネダ

RECOMMEND POSTS

ページトップへ