TOP > ALL > GENERAL LIFESTYLE > 死と伝統ついて考えるお盆の季節
GENERAL
LIFESTYLE

死と伝統ついて考えるお盆の季節

この世を去った大事な人たちを想いながら観たい映画3選

MULTIPLE LANGUAGE
  • English
  • Bahasa Indonesia
  • 日本語
  • ភាសាខ្មែរ
  • Bahasa Melayu
  • ဗမာစာ
  • ไทย
  • Tiếng Việt
  • 简体中文

人生で数ある心の痛む経験の中でも、もっとも苦しいのは大切な人を失うことかもしれない。日本では、お盆の時期に死者を弔う習慣があり、旧暦の7月15日(現在の8月15日)を中心に、様々な儀式が執り行われる。

まずは、先祖の霊が迷わず帰って来られるよう迎え火を焚き、お供え物を置いた精霊棚を飾る。それから3日間、送り火であの世へ再び送り出すまで、先祖の霊と共に過ごす。その際、地域によっては、霊の乗り物としてキュウリやナスで精霊馬が作られる。キュウリで作った馬には霊が早く帰って来られるように、ナスで作った牛にはゆっくりあの世へ戻ってほしいという願いが込められている。墓参りを行い、お墓を掃除したり、花や榊の葉を手向け、先祖に挨拶することも重要だ。

また、お盆といえば盆踊りや食べ物、ゲームなどで盛り上がる夏祭りだろう。今日では、伝統行事というよりはお祭りや大型連休の印象が強くなっているお盆だが、それでもやはりこの季節には亡くなった人たちを思う気持ちが沸き起こる。今回はそんな日本の人々心情が描かれた映画を3作ご紹介しよう。

1. 盆唄, 2018

福島第1原子力発電所の5号機と6号機が立地し、2011年3月に起こった東日本大震災による地震、津波、そして原発事故の影響で帰還困難区域に指定され、住民全員が避難することとなった福島県双葉町。

町の人たちが散り散りになってしまい、伝統の盆唄は存続危機に晒される。しかし、福島県の伝統は海を越えたハワイの地で、日本から移住した人々の子孫に伝えられていたのだ。

このドキュメンタリーは、双葉町の太鼓奏者らが伝統の存続を希望してハワイを訪れる様子を追い、遠い地で受け継がれる日本文化の歴史を探る。

キャスト:福島県双葉町の皆さん
声の出演(アニメーション):余貴美子、柄本明、村上淳、和田聰宏 ほか
監督:中江裕司

2. 岸辺の旅, 2015

3年間失踪していた優介が突然妻の瑞希の前に現れ、自分は海で溺死したと伝える。優介は3年間、瑞希のもとに帰るため日本中を旅し、あの世とこの世の狭間にいる同じような境遇の人たちと過ごしていた。

優介に誘われ、2人は彼が辿ってきた道のりを逆に進む旅に出る。共に優介が過ごしてきた町や出会った人々を訪ねながら、再び心を通わせる2人。旅するうちに瑞希、そしてお世話になった友人たちは、新たな現実に心を開き始めるが、旅には終わりが訪れるー。

キャスト:深津絵里、浅野忠信、小松政夫
監督:黒沢清

3. 母と暮せば, 2015

1948年8月9日ー長崎に原爆が投下されてから3年が経っていた。戦争で2人の息子を亡くした未亡人の伸子は、死んだ家族のことを考えないよう、助産師として忙しく働く。しかし、爆撃で命を落とした医療学生だった2番目の息子、浩二の死をなかなか受け入れられずにいた。

浩二の命日に墓参りに行った伸子は、前に進もうと決意する。しかし、帰宅すると浩二が幽霊として現れたのだ。

それから姿を見せるようになった浩二は、生前の恋人、町子との思い出話などをしながら伸子と共に過ごす。しかし、そんな楽しい日々は残念ながらずっとは続かないー。

キャスト:吉永小百合、二宮和也、黒木華
監督:山田洋次

大事な何かをなくすと、もう一生平常心に戻ることはないような気持ちになる。しかしこの3作を観ると、傷ついた心はいつかは癒え、大切な人やものは心の中にずっと存在し続けるのだというメッセージに励まされる。

文:ヘレン・ラングフォード=マツイ

RECOMMEND POSTS

ページトップへ