TRAVEL

南北両端の日本:みんな大好き!北海道と沖縄が舞台の映画4選

日本の北端と南端に位置する島々の美しさをスクリーンで味わう

日本の最北端に位置し、国内で2番目に大きな島、北海道は47都道府県内で最大の面積を誇る。一方の沖縄県は日本で4番目に小さな県であるが、南端の150以上の島々から成り、北海道とは全く違った趣を持つ。互いに3000kmも離れていては、環境や文化、気候が大きく異なるのも無理はない。それでもなお両県に共通するのは親切で優しい人々、郷土のおいしい食文化、そして美しく日本で人気の旅行先の一つだという点である。

ここで紹介するのは普遍的な人間関係を描く作品や人生の悩みや節目を描く作品、そして時には行き当たりばったりの冒険物語も。楽しく心が温まるこれらの作品は、全く違った雰囲気を持ちながら、いずれも魅力的な両地域を知るきっかけとなるだろう。

1.しあわせのパン(2012年)

大都市を離れて小さな町に移住し、素朴で飾らない生活を送るなどして幸せを見つけるという筋書きは日本のドラマによく見られるが、この心温まる作品「しあわせのパン」も良い意味でその典型例だろう。二人の主人公、パン職人・尚と料理人・りえは東京から北海道に移り住み、ベーカリーカフェを営む。いつでも明るく前向きな夫婦が徐々に地域の人々やお客さんと仲良くなり触れ合っていく様を描く。舞台となるのは支笏洞爺国立公園内の風光明媚な洞爺湖湖畔であり、監督は日本の北部では比較的穏やかな気候にあるこの地の四季を見事に描き出している。映画の有名なキャッチコピー「わけあうたびにわかりあえる気がする」は映画のテーマであり、日本の田舎で大切にされる人と人のふれあいをよく表現している。

主演の原田知世と大泉洋はいずれも日本の人気俳優であるが、なんといっても北海道の自然美が本作の最大の魅力と言っていいだろう。雄大な自然を背景に、人生の与えてくれる経験を美しく、穏やかに描いている。

キャスト: 原田知世、大泉洋 監督: 三島有紀子

2.ぶどうのなみだ(2014年)

二つ目の作品も三島有紀子監督が北海道の自然美を背景に撮った作品である。「しあわせのパン」にも登場する大泉洋がヨーロッパでのミュージシャンとしてのキャリアに挫折し、北海道の田舎にある実家の農園に戻ってワインを作るアオを演じる。弟のロクと小麦畑も営んでいるアオは、葡萄の栽培と理想のピノ・ノワールの醸造に苦戦していた。本作は感情的なアオとのんきなロクの絶え間ない小競り合いと、旅人のエリカ(安藤裕子)が兄弟の営む農園の傍でキャンプを始めたことから人間関係が一層複雑になる様を描く。笑いあり、涙ありと感情の起伏はある本作だが、北海道中部に位置する空知の美しい自然がいつも静かに見守っている。

キャスト: 大泉洋、染谷将太、安藤裕子 監督: 三島有紀子

3.ホテルハイビスカス(2002年)

北海道から舞台を移し、今度は沖縄本島の南端部を舞台とする「ホテルハイビスカス」は、人間ドラマを描いた作品というよりは、コメディアドベンチャーと言っていいだろう。本作の主人公はおてんばでおませな沖縄育ちの女の子・美恵子、9歳。寛容で人あたりの良い彼女の両親は、民宿一室を運営している。いくつかのユーモラスなエピソードの中でも、主軸となるのは美恵子が沖縄に伝わる森の妖精キジムナーを捕まえに行くというものだ。中江裕司監督は沖縄固有の文化や習慣を描くことで知られており、本作も例外ではない。キジムナーだけでなく、沖縄料理のテビチ、今も残る沖縄基地の存在とそれが人々の生活に及ぼす影響、そして沖縄の人々のゆったりとした生活習慣も垣間見ることができる。日本のコメディにはほろっとくるシーンもつきものであり、それも忘れてはいないが、基本的には人生の明るい部分をしっかりと描いた作品であり、これを見れば沖縄の人々や島の美しい風景への興味が一層掻き立てられることだろう。

キャスト: 蔵下穂波、余貴美子 監督:中江裕司

4.深呼吸の必要(2004年)

さとうきびは沖縄の主要な農産物であり、収穫期を迎えた春のさとうきび農園は沖縄の暮らしをきめ細やかに描く「深呼吸の必要」にぴったりと言えるだろう。本作はサトウキビ農園のアルバイトとして集められた7人の若者を中心に展開し、異なる環境で育ってきた若者たちが過酷な農作業を通じて共通点を見出していく。また、さとうきびの収穫期日が近づく中で、次第に全員に深い共通点があることも明らかになる。それぞれに経歴や目的は異なるものの、いずれも何かしら人生の困難から逃れようとしてここへたどり着いたのだった。沖縄の島で過酷な農作業にいそしむ若者たちの悩みを、多くは語らずして描いているのが本作の特徴だ。

キャスト:香里奈、谷原章介、成宮寛貴、長澤まさみ 監督:篠原哲雄

 

近代的な大都市で働く大勢の会社員は世界的な大企業で高度な技術力を生かした仕事をしているというイメージで語られがちである。そうした特徴も一部には見られ、確かに間違ってはいないものの、日本国内の環境、経済、文化的な差異は大きく、とりわけ北海道と沖縄ほど趣の異なる場所もないのではないだろうか。とは言え、表面的な違いはあれど、本質的には共通していることも多く、そんな日本人の心の故郷である両県の飾らない姿をこれらの映画を通して味わっていただきたい。

文章) Reno J. Tibke

翻訳)Hisako Imai

Edited by GPlusMedia

RECOMMEND POSTS

ページトップへ