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日本の絶景:映画で訪れる美しき日本 パート2

あなたを西日本へと誘う4本の映画

パート1では北海道から関西地方までの旅をお楽しみいただけたが、パート2では島根県から沖縄県まで、更に南下。

1.天然コケッコー(中国地方・島根県)

Izumo Shrine, Shimane

 

日本海に面した島根県が、パート2で訪れる最初の土地だ。『天然コケッコー』は中学二年生の右田そよの田舎町での暮らしと学校生活に焦点を当てている。東京からの転校生が入ってくることによって、6人しか生徒がいないそよの学校に新鮮な風が吹く。本作品は生活の一片を切り取る日本の映画作りの典型であり、都会っ子と田舎の子の違いに対する深い洞察を提供する。

島根県は、良くも悪くも地味な県で、日本全47都道府県の中で二番目に人口が少ない。「悪くも」というのは、この県の絶景を目にしたことがない人があまりに多いということで、「良くも」というのは、島根県の大自然が手付かずのまま残っているということ。島根には大山隠岐国立公園だけでなく、多くの自然保護区が存在し、また出雲大社という由緒正しい神社もある。島根県へ足を延ばす海外からの旅行客は未だなかなかいないが、大阪や広島などの大都会から少し離れてみようという人にとっては見返りが大きい寄り道にはなるはず。映画でも見られるように、島根県の自然では平和と安らぎをもたらす一昔前のシンプルな暮らしが味わえる。

キャスト:夏帆、岡田将生 監督:山下敦弘

2.眉山(四国・徳島県)

次の行き先は四国の北東部にある徳島県の県庁所在地、徳島市。『眉山』は悲劇でありながら、最終的には救われた気持ちになる作品だ。重い病を患ったシングルマザーの龍子とその娘の咲子のストーリーで、母親はこの先あまり長くないと聞かされた咲子は東京での仕事を辞め、母親の面倒を看るために徳島に戻ってくる。すると少しずつではあるが、龍子に対する理解とありがたさが芽生え、病に蝕まれていく龍子を、徳島で最も大事な行事の一つである阿波踊りを見に連れて行く。

四国は日本の中で一番旅行者が少ない島だと思われるが、『眉山』からも分かる通り、多くの宝が存在する。映画の名前にもなった眉山は徳島市の中央に位置し、昼間も夜も周辺の海と街を一望できる山として有名だ。日本の都市の中では間違いなく小さい方だが、徳島市には豊富な伝統的文化が残っており、その一つが日本で一番大きな踊りの祭りである阿波踊りだ。お盆の時期になると、街中が何百年もの歴史がある阿波踊り一色になる。美しい自然と伝統に囲まれたい旅行者は徳島を見逃してはいけない日本の目的地なのは間違いない。

キャスト:松嶋菜々子、大沢たかお 監督:犬童一心

3.奇跡(九州)

本作品は九州でも全く違う土地二箇所にスポットをあてる。片や徳島から南西560キロの福岡県福岡市。もう一方は654キロ南東の鹿児島県。子役を含む俳優の意見やアドリブを大いに盛込みやすく準備された脚本を元に『奇跡』は作られた。両親の離婚を憂い、兄の航一と弟の龍之介は家族がまた一つになることを願っていた。航一は母親と祖父母に、そして龍之介は父親に引き取られ、九州の端と端で生活することとなった兄弟は、新しく開通した新幹線がすれ違った時に願いことをすれば叶うと信じ、実行に移すべく準備を始める。

地理的に言うと、『奇跡』がわれわれの映画リストの中の作品で一番幅広い土地を網羅する。九州の北に位置する福岡市は全国で5番目に大きな都市であり、様々な産業で栄えている。その一方で、九州の最南端にある鹿児島市は全国で24番目に大きな都市。小さな街とは呼べないかもしれないが、福岡市と比べたら田舎なのは間違いない。どちらにせよ、福岡市と鹿児島市だけでも、旅行者を引き寄せる魅力は十分ある。例えば、福岡市はプロ野球チームの福岡ソフトバンクホークスの本拠地となっており、国内外の観光客を魅了する賑やかな繁華街もある。また、本場の博多豚骨ラーメンも食べられる。鹿児島市はというと、豊かな食文化を持ち、焼酎が有名で、また、毎年多くの祭りも開催されている。全く違うテイストの福岡市と鹿児島市は九州新幹線でつながり、九州の端から端まで2時間弱で行けるようになった。福岡と鹿児島の間で一番オススメできる場所は、日本でも最も美しいと言われる城や大自然、そして活火山である阿蘇山を囲む多数の温泉がある熊本県だろう。九州だけを目当てに日本を訪れるのも十分アリだ。

キャスト:前田航基、前田旺志郎、オダギリジョー 監督:是枝裕和

4.ナビィの恋(沖縄県)

日本本土を完全に離れ、今回の旅の最終目的地へ行くには、鹿児島市からさらに827キロ南西へ向かう必要がある。ここが『ナビィの恋』の舞台となる沖縄県の粟国島だ。ここでもまた、日本の映画でよく見られる「東京からの帰郷」と「自分のルーツへの回帰」というテーマがポイントになっている。本作品の場合は奈々子という若い女性が東京での仕事を辞め、祖父母が暮らしつづける粟国島に戻ってくる。そこで奈々子は祖母・ナビィの浮気現場を目撃してしまうのだが、その根底には悲劇があることを知り、奈々子は最初に登場した時よりも思いやりのある人間へと変わっていく。

この作品の舞台となった粟国島とは、沖縄県に実在する島である。人口がたったの750人ほどの村で自給自足するとは信じ難いかもしれないが、沖縄県が何百もの小さな島から成っていることを考えると、不思議ではない。われわれの映画で訪れる場所リストの中で粟国島は地理的に一番エキゾチックな場所かもしれない。一番幅広いところで4キロしかないという小さな島に驚くだろう。沖縄への旅行者の大半は県庁所在地の那覇に集中するが、少しでも冒険心があり、街中から離れる気持ちがあるのであれば、似ているようで地域ごとに違う文化や伝統、そして美しい自然と触れ合うことができる離島にも足を運んでみるのも良い経験になるはずだ。

キャスト:西田尚美、村上淳 監督:中江裕司

定番の旅先である東京、大阪、京都ももちろん素晴らしいけれど、映画を通じた北海道から沖縄への旅をしてきて、他の人があまり行かないところ、またガイドブックに掲載されていないところに好奇心がそそられたのではないだろうか。自分が慣れ親しんだ文化と環境とまったく違うものにどっぷり浸かる気持ちがあるならば、青森県のねぶた祭りで地元の人と踊る勇気があるならば、市場を探して愛知県の田舎道を歩くことを想像しただけでワクワクするならば、もしくは沖縄の人による「沖縄は日本の一部だが自分たちは『日本人』とは違う」との説明に耳を傾け、考える気があるならば、ちょっと冒険してみよう。新しい旅には新しいチャンスがつきものだ。

Edited By GPlusMedia

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