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斎藤工 in マレーシア日本映画祭

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2017年9月5日、マレーシアの首都クアラルンプールで行われた「日本映画祭2017」オープニングイベントに、俳優、フィルムメーカーとして活躍する齊藤工が特別ゲストとして出席。オープニングセレモニーのほか、自身初の長編初監督作品『blank13』特別上映イベントに出席し、来場した多くのファンとの交流を楽しんだ。イベント終了後、同氏にイベントの感想と映画への思いを伺った。

映画を通して、異国の出来事が自分の物語になる

 

―今回、日本映画祭に参加されていかがでしたか?

ラインナップがとても多様で、今年の邦画の代表的な作品からマニアックな作品まで網羅されていて、『blank13』含めて映画通だなと思えるような作品に映画ファンとして単純に感動しました。

―会場は多くの観客であふれていました。

会場にいらっしゃった日本の方とマレーシアの方の見分けがそこまでつかなくて、とても“近さ”を感じました。マレーシアの方かと思ったらとても流暢な日本語を話されていたりその逆もあって、西洋の方から見たら分からないくらいに日本とマレーシアは近い国なんじゃないでしょうか。『blank13』のQ&Aセッションの時にマレーシアの方が日本語で質問してくださったのはとても感動しました。

―作品と同じような経験をした、という感想もありましたね。

異国の出来事が最終的に自分の物語になる、というのがこれまで自分が映画から感銘を受けてきたことなんです。ものづくりをする時はそこを目指しているんですが、今回の『blank13』は日本の葬儀というトラディショナルでオリジナリティのある場面を選んでいるので、そういう風に捉えてもらったことをお客さんの生の声としていただけたのは、僕らスタッフとして一番喜ばしい収穫ですね。

―『blank13』は前半と後半で様相が異なりますが、これは狙っていたのですか?

そうですね。味が変わっていく料理じゃないですけど、物語って多面性があると思うのでいろんな感情が広がってくれたらと考えています。人が亡くなるという悲しいことではあるんですけど、いろんな側面によってその人が過ごしていた時間が彩りとなって豊かになっていくこともあると原案を拝見した時に感じました。(作中の)父親は不幸だったのか幸せだったのか、それは遺された人がジャッジするのかもしれないですけど、原作のはしもとこうじさんから、親子は何があっても切れないものだという思いをビシビシと感じたので、その部分は必ず描きたいと思っていました。子どもにとっての父親って、何をしてもらったということより、その時の情感や空間が記憶に残ることの方が多いのかなと思います。作中にある主人公と父親のキャッチボールの場面も、父親に向かってボールを投げるっていう景色がずっと頭に残っていたんだと思います。

日本は、国内だけの枠で物事を考えがち

 

―作品全体を通して、どこか日本的な作品ではない感じがしました。

この作品には20年来の同級生や仲間が関わっていて、音楽を担当した金子ノブアキや編集担当や特殊造形など、作品の仕上げに携わる人間が僕とほぼ同い年なんです。10年前にはできなかったことで、仕事人として30歳を越えて、ある程度イニシアチブを握れるようになってきた人間が周りにいてくれたことでこの作品を作ることができたんだと思います。1つ面白かったのが、それぞれのスタッフに師匠がいないんです。僕も長編映画は今作が初めてですし。それぞれに“こうしなきゃ”というのが明確になかったので、そうなるともう感覚を共有するしかない。そうやって同じジェネレーションで作品の仕上げができたことはとても価値があると思います。

―海外に対する意識も初めからあるのでしょうか?

河瀬直美監督や園子温監督もそうだと思いますが海外を含めたところから着想されていて。中国でも、国内では上映できなくても海外資本で映画を撮ることはよくありますし、日本もこういうことがあってもいいんじゃないかと思います。誰でも情報にアクセスできる時代ですから、時代の変化の中で選択肢として何が最高峰なのかということは皆わかっていることなので、そこを視野に入れるのは当然だと思います。日本は国内だけの枠で物事を考えがちだと思う一方、ターニングポイントにも来ているとも思うので、僕のような人間が率先してやるべきだと考えています。

スクリーンの窓から日本の今を感じてほしい

 

―作り手として、国内外の映画祭への関わりについてどうお考えですか?

当たり前のことですが、劇場公開は作品を見てもらうという意味でゴールではあります。ただ、公開までの短い期間ではあるけど映画祭を通して作品がいろんな国に羽ばたいていくことは、製作者にとってご褒美のような時間はもう一つのゴールです。映画は娯楽と興行という2つの側面があると思うので、映画祭と連動しながら相乗効果で盛り上がっていくとうれしいです。また、できるだけ時間をかけて長く上映して少しでも多くの方に見ていただきたい。売上ももちろん大事ですが、それ以上に長く愛されるということに重きをおいていきたいです。

―海外にも日本映画のファンはたくさんいます。

海外でも日本映画祭のようなイベントがあることで日本の今を知ることができます。僕も海外の映画を通して、自分との相違点と類似点を感じることで繋がりを持てるんです。スクリーンの窓から日本の今を感じてもらう機会があることは一映画人として幸せに思いますし、もっと広がっていけばいいなと思います。と同時に、今回で言えば、日本もマレーシアの文化をキャッチすることが必要で、それをすることでとても友好的な関係になれると思うので、今回の映画祭参加をきっかけに、僕なりのマレーシアを伝えていきたいと思います。

◆齊藤工(さいとう・たくみ)氏 プロフィール

1981年8月22日東京生まれ。俳優、フィルムメーカーとして活躍中。 主な出演作:『愛と誠』、『虎影』、『団地』、『昼顔』ほか。 初の長編監督作品『blank13』が2017年、第20回上海国際映画祭「アジア新人賞部門」 最優秀新人監督賞を受賞。 また、映画に触れる機会の少ない地域の子どもに映画を届ける、移動映画館プロジェクト「cinéma bird」を発案・企画・運営をしている。

◆作品情報

題名:blank 13
監督:齊藤工
原作:はしもとこうじ
脚本:西条みつとし
音楽:金子ノブアキ
出演:高橋一生、松岡茉優、斎藤工、佐藤二朗、リリー・フランキーほか

<あらすじ>
突然失踪した父。空白の13年間が父の死後に埋まっていく―実話に基づく、ある家族の物語。 突然蒸発し、13年間行方不明だった父親の消息が判明。しかし、家族との溝が埋まらないまま、その3か月後にガンでこの世を去ってしまう。取り戻せないと思っていた13年間の空白が、葬儀当日の参列者が語る父のエピソードで、家族の誰も知らなかった父親の真実とともに 埋まっていく…。

■日本映画祭2017 概要

【名称】日本映画祭2017 英語名:Japanese Film Festival 2017
【主催】国際交流基金クアラルンプール日本文化センター
【都市】クアラルンプール、ペナン、クチン、コタキナバル(4都市7会場)
【会期】2017年9月5日(火)~10月1日(日)
【作品】14作品

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