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大きな期待に応え続ける女優の新星・松岡茉優

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松岡茉優

昨年亡くなった日本の伝説的な女優・樹木希林に「特徴のない顔」だと言われた。大先輩からの厳しいひと言と、普通の若い女優だったら気を落とすかも知れない。しかし、松岡茉優は一切そんな様子を見せない—カメレオンの如く様々な役をこなしていく必要がある女優にとって、それは最大の褒め言葉だと理解しているかの様に。

そして、それは正に子役時代の8歳から日本映画界の新たなスターの一員として活躍する今に至るまでに松岡のキャリアそのものだ。内気なオタク少女から風俗店で働く女性まで、若干24歳ながらピカソの絵の様に色々なものが詰め込まれている。そんな彼女に今、日本中の注目が集まっているのは当然かもしれない。

キャリア初期

松岡は8歳の頃、妹の日菜のオーディションに同行したことがきっかけで芸能の世界に足を踏み込むこととなった。以来、端役ではあったものの2006年公開の映画『AKIBA』で映画デビューし、翌年もドラマに出演。その後、2008年からは人気の子ども向けバラエティ番組の『おはスタ』に約2年間出演した。

その後もテレビや映画での活動はしていたものの、キャリアに大きく影響を与える様な作品には出会えなかった。2012年には、その年公開されたヒット映画2作品『桐島、部活やめるってよ』と『悪の教典』に脇役で出演した。

2013年には、2011年3月11月に起きた東日本大地震によって津波の甚大な被害を受けた東北地方を舞台にし大ヒットしたNHKの朝の連続ドラマ『あまちゃん』に出演。松岡の役は主役級ではなく出世作とは言えないものの、彼女の女優としてのキャリアに非常に多くの扉を開き、あまちゃんバンドの一員として年末の国民的音楽番組であるNHK紅白歌合戦に出演も果たした。以来、テレビに映画に大忙しとなり、彼女の人気女優としてのキャリアが始まった。

ブレーク

2016年公開の『放課後ロスト』の三部構成の内の一部で映画の初主演を果たしてたが、日本が松岡の多彩な才能に気づき始めたのは2017年以降だったと言える。

初の単独主演を飾ったのは、大九明子監督・脚本の『勝手にふるえてろ』で2人の男性から1人を選べず悩む優柔不断な恋愛経験のない若いOL女性・ヨシカを演じた。本作品は2017年の東京国際映画祭でも上映され、松岡のエキセントリックな演技が功を奏しヒット作となった。彼女が演技で見せた決められない悩みは、映画祭で一作品を選ばなければならない観客とも共通する部分があったが、結果として本作品は栄誉ある観客賞を受賞した。

本作が松岡の出世作となり、一気にテレビドラマや映画、そしてテレビCMなどで露出が増え、芸能界での階段を駆け上がるきっかけとなった。

『万引き家族』から東京国際映画祭2018まで

2018年には、数々の賞を受賞し大ヒットとなった是枝裕和監督『万引き家族』で役を得た。この作品では、社会からのけ者にされた登場人物たちが万引きをしながら生きる様子を描き、私たちに「本当の家族」とは何かを考えさせた。松岡は本作品での役をオーディションによって勝ち取り、結果として日本国内での人気だけでなく、世界的な注目をも自らのものとした。

本作は第71回カンヌ国際映画祭で最優秀賞であるパルムドールを受賞し、是枝監督をはじめ、松岡を含む映画のキャストはその後数カ月にわたって世界中からスポットライトを浴びた。

その後、松岡は笑顔と共に帰国し、新たな挑戦に心を躍らせた— 第31回東京国際映画祭のアンバサダー就任だ。この様な重大な役割を任せられたことで、日本だけでなく世界中の映画ファンや関係者に新たな日本映画界の顔として知られることとなり、彼女の女優としての成功を明確なものとした。

松岡茉優

今後の活躍が益々期待される松岡だが、恩田陸の同名小説を映画化で2019年の秋に公開予定の『蜜蜂と遠雷』に主演することが決まっており、そのほかにも彼女の出演作は見逃せない。

彼女の今後の活躍を楽しみにする間、松岡のこれまでの出演作品を観なおしても良いかもしれない。その中でも編集部が特にオススメしたいのは、2012年公開の『桐島、部活やめるってよ』、2017年公開の『blank13』、そして2018年に公開された『ちはやふる -結び-』だ。

文:羽田ローズ
訳:多摩川彦星

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