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進学や就職の季節に観たい!上京をテーマにしたおすすめの映画4選

地方から東京に移り住んだ若者たちの成長を見届けよう

東京。それは、地方に住む多くの人がしばしば純粋に憧れる場所だ。そして、その東京に移り住むことは、多くの日本人の若者にとって一種の通過儀礼である。大学進学や就職のためだったり、あるいは己の心に従った結果だったり、はたまた過去から逃げて新しい生活を始めるためだったり。理由は人それぞれだが、上京という経験がその人の人生に及ぼす影響はとてつもなく、それ故に今までに無数の漫画や映画、TV番組などの題材として取り上げられてきた。東京と地方との間には、物理的そして社会的な面で大きな差が存在するからこそ、上京することで得られる経験は多い。今回は、そのような経験を深く掘り下げ、描いた映画を4つご紹介する。

1.上京ものがたり(2013年)

同名のコミックスが元になっているこの映画は、著者である漫画家・西原理恵子の上京したばかりの頃を描いた半自伝的物語だ。

漫画家になることを夢見て、美術大学で学ぶために地方から上京してきた高原菜都美。新しい友だちができ、近所の居酒屋でアルバイトすることも決まってウキウキしていたが、最初の給料をもらった直後に、それだけでは家賃を払うのに精一杯だという現実に気づく。画材費用などを工面するため、キャバクラで働き始める菜都美。客のサラリーマンからはセクハラを受け、同棲している彼氏は定職につかずごろごろしているだけ、という散々な日々を送ることになる。

そんな中、ひょんなことからエロ本のカット描きの仕事を始めた菜都美。キャバクラの客と同じ部類の男たちを喜ばせることにつながる仕事だったが、皮肉にもそれが、菜都美が漫画家として活躍するきっかけにつながっていく。生まれ育った田舎でののんびりとした生活を抜け出し、ペースが速い都会での生活に馴染もうとする菜都美が、時に現代社会の現実の厳しさに苦しめられながらも大人になるということや生きていくということについて学び、夢を追い続ける過程を描いた成長物語である。東京という街に憧れを抱いている人には、ぜひ一度観てもらいたい作品だ。

キャスト:北乃きい、池松壮亮、西原理恵子 監督:森岡利行

2.東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~(2007年)

イラストレーター、ライター、デザイナー、音楽家、写真家、俳優などさまざまな顔を持つリリー・フランキーが書いた同名の自伝小説を映画化した作品。2005年に出版されたこの小説は大ベストセラーとなり、翌2006年10月には200万部を超えた。1960年代の日本で、“オカン”と極度のアルコール中毒を患っている“オトン”とともに暮らす雅也。オトンの家を出たオカンと雅也は、福岡県の筑豊で二人だけの新しい生活を始める。

その後、大学進学のために上京する雅也。卒業後はそのまま東京に残るが、ほとんどの時間を友だちとだらだら過ごす、自堕落な生活を送っていた。そんな折に、オカンがガンだと診断されたという、一本の電話が入る。雅也はオカンを東京へ呼び寄せ、二人は再び新しい生活をスタートさせるのだった。

この映画では、「東京タワー」は東京という街を象徴する存在としてはもちろん、孤独や奇妙な楽観主義などといった概念を表すシンボルとしても描かれている。生きるため、というあまり一般的ではない上京の形にスポットライトを当てたこの作品は、「心があたたまる」「とにかく切ない」という評判が評判を呼び、大ヒットに。2008年日本アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞を含む計8つの賞を受賞した。

キャスト:オダギリジョー、樹木希林 監督:松岡錠司

3.アフロ田中(2012年)

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もう少し軽い気持ちで観られる作品として紹介したいのが、「アフロ田中」。タイトルどおり、見事なアフロヘアの、ちょっとダメ男な主人公が繰り広げるラブコメディである。のりつけ雅春の人気漫画シリーズを映画化した本作品は、自由や地元では得られないさまざまなものを求めて東京へ移り住んだ田中広(24歳)の物語だ。常に彼女募集中の田中だったが、仲の良い幼馴染の一人が結婚することになり、結婚式に招かれたことで急に焦り始める。昔、仲間5人で交わした、「仲間のだれかが結婚したら、結婚式にその時の彼女を連れて行く」という約束を思い出したからだった。そんな折に、田中にとって完璧な女性が、隣室に引っ越してくるのだが……。

この映画は、ダメ男ぶりを発揮しながらも、何とか恋愛を成功させようともがき、前に進み続ける若者・田中の日常を追った作品である。自分を見失ったり、ヘマをして笑いものになってしまったり、どんな人生が正解なのかを必死に探ろうとしたり。東京に移り住んだ若者の多くが経験するこのような場面を、あまりにもリアルに描いた映画だ。

キャスト:松田翔太、佐々木希  監督:松居大悟

4.NANA(2005年)

最後に紹介する「NANA」も、同名の大人気漫画シリーズを映画化した作品だ。明るくておしゃれ好き、でもどこか世間知らずな奈々(宮﨑あおい)。東京にいる彼氏の元へ向かう電車の中で、同い年のナナ(中島美嘉)と出会う。ロックシンガーになる夢を叶えるため上京するナナは、全身黒ずくめのクールな見た目とミステリアスな雰囲気で、奈々とは正反対だったが、二人は不思議と意気投合。そして、東京で家探しをしている最中にばったり偶然再会した二人は、同じ部屋で一緒に暮らし始める。

はじめは、名前と年齢しか共通点が無いように見えた二人。だが、物語が進むにつれて、真の友情を育むのにお互いの立場の違いなどは関係ない、ということが明らかになる。東京の小さなアパートで同じ経験を分かち合いながら、二人の主人公がさまざまな試練を乗り越え、夢と自由、そして心の安らぎをともに手に入れようとする姿を描いた映画だ。

キャスト:中島美嘉、宮﨑あおい 監督:大谷健太郎

 

これら4つの映画の登場人物は、それぞれ違う理由で上京し、それぞれ異なる物語を繰り広げる。だが、彼らのように、自由を求めて巣立つ若者たちが直面する壁には万国共通のものが多い。そのような困難を乗り越える力、夢を追いかける勇気、過去を振り切っても良いと思う気持ちが彼ら全員に備わっていることを、上記の映画は描いている。すべてを投げ打ち、東京(あるいは他の大都市)で新たな生活を始めたい人が持つべき力は何なのか。今回ご紹介した映画を観るうちに、おのずと見えてくるはずだ。

Text by Lucy Dayman

翻訳)佐藤彩

Edited by GPlusMedia

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