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平成を振り返る!今だからこそ観たい平成を象徴する映画3選

輝かしくも暗鬱でもあった激動の時代

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不安と混乱に満ちた月日を経て、1989年、昭和時代が幕を閉じ、平和と繁栄に象徴される平成の時代が始まった。それから30年の時が経ち、本年5月1日より今上天皇の退位に伴い「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味を込めた「令和」という新時代が始まろうとしている。そこで新しい時代迎える前に、平成という時代を振り返ってみたい。経済成長、バブル崩壊、自然災害、そして殻を破って自分をさらけ出すことを始めた若い世代の登場など、時代を象徴するような3作品を紹介しよう。

1.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式, 2007

バブル時代の本質に迫ったコメディーフィクションである本作は、彼氏の借金を返済するため働くホステス、田中真弓の奔走を追った物語。真弓は、運命の巡り合わせで財務省勤務の男と出会い、バブル崩壊を引き起こした総量規制を止めるため1990年にタイムスリップした真弓の母を捜し出して欲しいと頼まれる。過去の世界で真弓が目の当たりにしたのは、きらびやかなバブル期の光景だった。

「バブル時代」とは、地価や株価のインフレーションが起こり、好景気が続いた1980年代中盤から1990年代初頭までの時期を指す。突如として裕福になった日本の人々は羽目を外したようにお金を使い、華美なパーティーに明け暮れていた。しかしこの夢のようなバブルの現実-いつかは簡単にはじけてしまうというバブルの現実に多くの人は気付いていなかった。1991年にバブルが崩壊すると資産価値が下落し、人々はたちまち借金や財政状況悪化に伴う不安を抱えることとなった。本作はそんな波乱に満ちた時代の核心に触れる数少ない映画作品の一つだ。

キャスト:阿部寛、広末涼子
監督:馬場康夫

2. シン・ゴジラ, 2016

日本を代表するシリーズ映画「ゴジラ」をこれまで制作してきた東宝は、12年間の沈黙を破り、2016年にアニメ版を除いた最新ゴジラ映画である本作を発表したが、このタイミングは偶然ではない。この時、東日本大震災と福島原発事故発生から5年、日本はまだまだ復興途上であった。それどころか、同じ年にはマグニチュード7.3を観測した熊本地震を含む更なる自然災害が重なった。国内では、人間の手には負えない甚大な力が人々に脅威を与え、自然災害、そしてその余波について再度見据えることを余儀なくされた。

ゴジラは広島・長崎への原子爆弾投下から約10年後の1954年に日本が生み出した架空のキャラクターで、大量破壊に対する恐怖に着想を得ている。2016年版ゴジラは初代ゴジラに比べて巨大化し(身長118.5mで歴代最大)強さを増しており、自然の猛威に対する人々の恐怖心を象徴する。「海面から飛び出す巨大な尻尾」が引き起こしたのはパニック、破壊、そして政府の嘘。2011年3月11日に発生した国内歴代最大の地震、そしてそれに伴う津波と国内史上最悪の原発事故という大惨事を彷彿させる。

日本がこの日得た教訓は、人間は自然について不知であり、備えてもその猛威を凌ぐことはできないということだ。突然現れ人々を脅かす巨大不明生物のように、いつ発生するか分からない次の災害への不安と日本は常に隣り合わせなのだ。残念ながら平成は、地震、津波、洪水、土砂崩れなどの自然災害に多く見舞われた時代であり、それは日本映画史上最も恐ろしい生物、ゴジラによって表現されている。

『シン・ゴジラ』は2016年公開の実写邦画で累計興行収入1位を獲得。また本作は、ゴジラシリーズ最大の売り上げを記録した。

キャスト:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ
監督:庵野秀明、 樋口真嗣

3. 響-HIBIKI-, 2018

15歳。普通じゃない。生き方を曲げない。天才的な文才を持つ鮎喰響は文芸誌の新人賞に応募するが、規定から外れたその応募作品は廃棄処分となる。しかしそれを偶然手に取った若い編集者は、すぐにこの新人の才能に気が付く。作者を探し当てると、それは自由で大胆不敵、自分の信じる生き方を絶対に曲げない、型破りな少女だった。

主人公の響は、ルールに従い控えめに生きることを長い間美徳としてきた日本において、殻を破り「出る釘」となっても構わないと考える新しい世代を象徴している。平成初期の頃は、「和」の一部として団体に属することは負担や不安が軽減される有利なこととしての見方が強かった。終身雇用が通常であり、安心・安定の生活が大部分において保障されていたのだが、やがてバブルがはじけ、後にリーマンショックが起こり、 失業や減給などの不安に多くの人々、特に若者や年配者が悩まされると、一様性が必ずしも有利であるとは限らないと感じる若者が増え始めた。現状を疑問視し、他者とは違った個性を育もうとする反逆児が日本に多く見られるようになってきたのだ。

響はこのような日本の新しい世代と共に、権力に屈することなく自分の個性を前面に出した生き方を貫く。

キャスト:平手友梨奈、北川景子、小栗旬
監督:月川翔

30年といえば、一つの国の中でもたくさんの変化が起こりうる年月だ。平成は、繁栄と壊滅、成長と衰退、幸せと哀しみが併行した時代であった。しかし、どんな時代とも同じく、振り返り思案すべきことを多く残した。この時代の反省点を生かし、新しい時代が明るく、平和になるよう期待したい。

文:ローズ・ハネダ

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