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『未来のミライ』アカデミー賞ノミネート記念!絶対見るべき細田守監督作品5選

数々の賞を受賞し続ける細田監督作品はどれも外せない。

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日本の脚本家、アニメ監督である細田守の最新作『未来のミライ』は2019年のアカデミー賞にノミネートされ、世界中で大ヒットを記録した。今でこそアニメ界では誰もが知る名前だが、ここまでの道のりは決して楽なものではなかった。そう、成功は一日にしてならず、なのだ。

評論家の多くは細田を宮崎駿の継承者の1人だと思っているようだが、事実は少し異なる。若かりし頃、彼はスタジオジブリを不採用となっている。キャリアを積んだ後、『ハウルの動く城』の監督に抜擢されるも降板。しかし、この解雇が結果的には細田を独立させることとなった。2012年自身のアニメ映画制作会社スタジオ地図を設立し、独自のアニメ映画を製作することへと繋がった。

細田の作品にはリアリティと家族をテーマにしたものが多く、そこへSFやファンタジーの要素が盛り込まれている。映画館で人気があるのも納得だ。ここでは、これまでの細田作品の中でも特に迫力満点の映画をご紹介する。

1. 時をかける少女, 2006

あの時に時間を巻き戻せたら・・・女子高生なら誰もが一度は思ったことがあるのではなかろうか?筒井康隆のヤングアダルト向けSF同名小説を原作としたアニメ映画『時をかける少女』は女子高生・真琴の物語。真琴は学校へ行くこと、大人になること、そして初恋を経験することなどに対してどこか居心地の悪さを感じながら日々を送っていた。

しかしある日、真琴は自分が過去と今を行ったり来たりできるタイムリープ能力を持っていることに気づく。はじめは、失敗したテストを再度受けに行ったり、告白された後の気まずさを避けたりするために力を使っていた真琴だが、試行錯誤を繰り返し、この力で人助けをするまでに成長する。このヒット作は日本アカデミー賞において初のアニメーション作品賞が設けられた2007年、最優秀アニメーション作品を受賞した。

2. サマーウォーズ, 2009

『サマーウォーズ』もまた、大ヒットしたアニメ作品で2010年の日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞を受賞している。また、同年の米国アニー賞でもアニメーション映画監督部門にノミネートされた。このマッドハウス制作のアニメ映画は、物静かで数学が得意な高校生・健二がクラスメイトの夏希と一緒に長野・上田市へ旅に出る物語。 

上田にある夏希の実家につくと、夏希は祖母と手ごわそうな親戚全員に、健二を将来の婚約者だと紹介する。しかし、健二が仮想世界OZをハッキングした濡れ衣を着せられたことが分かり、物語は動き始める。細田は今作品でハッキング事件を扱うことによって、テクノロジーに頼りすぎている現実や、世代間の論争など現代日本の社会問題を浮き彫りにすることに見事に成功している。

3. おおかみこどもの雨と雪, 2012

一生に一度の恋をした!と思った相手が人間じゃなかったら、あなたはどうするだろうか?これはスタジオ地図が贈る最初の映画作品『おおかみこどもの雨と雪』(マッドハウス共同製作)のはじまりのシーンである。大学生の花はどこかミステリアスな雰囲気の彼と大学で恋に落ちる。彼の正体が“おおかみおとこ”だと判明するも花は彼と結婚し、雨と雪2人の子どもを授かった。

そんな花を悲劇が襲い、花は2人の“おおかみこども”を自分ひとりで育てる決意をするのだった。今作品で細田は、雨と雪が自分たちは人間なのか、狼なのかと葛藤する姿を描き、「大切なのは生まれか育ちか」というテーマを探求している。『おおかみこどもの雨と雪』は2013年の日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を含む数多くの国際的な賞を受賞した。

4. バケモノの子, 2015

スタジオ地図2作品目となる映画『バケモノの子』は少年・蓮の物語。母親を亡くした蓮には父親もおらず、渋谷の裏路地をさまよっていたときに熊徹と出会う。熊徹はバケモノの世界から来たバケモノだった。蓮は人間界を離れ、熊徹の弟子となる。次第に2人は心を通わせていき、蓮にとって熊徹は父親のような存在となってゆく。

今作品を通して細田は、父親になることはどういうことかを示している。父親とは子どもが生まれたからなるものではなく、その子どもを愛し、世話をすることによって父親になっていくのだ、と。この映画も世界中から高い評価を得て、2016年の日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞を受賞した。

5. ミライの未来, 2018

最後のとっておきは、2019年のアカデミー長編アニメ映画賞にノミネートされた細田の最新作。スタジオ地図の3作目となる今作品は、アニー賞の長編インディペンデント作品賞を受賞している。

映画『未来のミライ』は細田の長男に妹が生まれたときの経験をもとに作られているという。4歳のくんちゃんは『時をかける少女』の真琴のようにタイムリープできることにある日気づく。時空を行き来する中で、くんちゃんは家族の中に起こっている変化とうまくやっていく方法を学んでゆく。この映画は現実的であると同時にファンタジーでもあり、観客をくんちゃん一家を巡るめまぐるしいジェットコースターの旅へと連れ出してくれるのだ。

細田作品のテーマであるように見える「家族」や「成長」は、タイムリープや仮想世界などのSF要素と結びついている。これによって彼の作品は世界中の人々から共感され、多くのアニメファンを満足させるまでに至っているのだ。細田の作る映画はダイナミックであり、日本アニメ界を新たに引っ張ってゆく第2の宮崎駿となっていくことだろう。次の作品の公開が今から楽しみでならない。

文: Suzanne Bhagan
訳:柿谷まりあ

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