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最高のダシはニッポンの心?映画にみる日本人のラーメン愛

へい、らっしゃい!ラーメン大国ニッポンへようこそ

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典型的なラーメン店を想像して欲しい。そこは10席以下、多くても15席くらいにしかならない小さな店。古びた建物の中は湯気で曇っているし、床も油でテカっている上にベタついている。しかし店先には、そんなことを気にも留めないお客さんの長蛇の列が威勢の良い店主の声に耳を傾け、自分の番を今や今やと待ちわびている。日本で人気のあるラーメン店は、外観や店内のインテリアなどよりも、商品であるラーメンそのものに最大限の力を費やしている。それは総じてカスタマーサービスが良いと言えないような昔ながらの料理提供の仕方や客との関わり方にも顕著に表れているかもしれない。あくまでも、こだわり抜かれたスープとトッピングからなるラーメンがそのお店の主役なのだ。

ここで紹介するラーメンに所縁のある4本の作品は、ラーメンの伝統や近代史が垣間見えるドキュメンタリーや、ラーメンという芸術に魅せられた日本中、いや、世界中の人々を描いた個性的なラーメンフィルムの面々だ。それぞれの映画に登場するラーメンは一杯一杯全て違うが、映画を観終わるとあることに気づくかもしれない。一杯のラーメンに人生を捧げる作り手たちの情熱とラーメン愛が、大きな寸胴鍋の底に染み込んだ最高のダシなのかもしれない、と。

 1.ラーメンより大切なもの

伝説のラーメン店・東池袋大勝軒。本作は、ラーメンの神様と呼ばれた店主である山岸一雄に焦点を当てたドキュメンタリー映画だ。山岸は50年以上の長い歳月をかけて完璧なラーメンを求め、挑戦に挑戦を重ねた。そんな神の一杯を食べるためには、二時間以上の待ち時間も珍しくはなかったという。本作品の撮影期間が10年以上ということにも驚きだが、その間記録されているのは、つけ麺の生みの親としてだけでなく、店の味を守り、そして弟子たちへ受け継いでいこうと奔走する山岸の姿だ。この映画の見所は、ラーメン店として成功した男を追ったドキュメンタリーというよりも、自分の好きなことを精一杯全うすることの難しさと美しさをうまく表現している点だと言える。それは、作中で焦点が当てられた山岸がラーメンに捧げた人生だけでなく、本作を手掛けた印南貴史監督の作品への情熱からも感じ取れるはずだ。

キャスト: 山岸一雄 監督:印南貴史

2.ラーメンヘッズ

二作品目に紹介するのもドキュメンタリー映画だが、「ラーメンヘッズ」は現代のラーメン界を牽引する「中華蕎麦とみ田」の店主・富田治と熱狂的なファンたちを追った作品だ。キング・オブ・ラーメンと名高い富田は、驚くほどに惜しげも無く自分のラーメンづくりを詳細までに見せる。通常はスープのだしの取り方などは企業秘密にする店がほとんどだが、「大したことやってないから見せられないだけなんですよ。うちに隠すことはありません。」と言い放つ自信ぶりだ。至極の一杯を追求し続け、全国各地を巡るラーメンヘッズ(ラーメンバカ)たち。本作では、その内の一人である富田のラーメン中心に回る人生にクローズアップしているだけでなく、富田の盟友であるラーメン職人たちの挑戦や葛藤が見られるのも見所の一つだ。また、中国の麺料理から日本の国民食、そして今では世界食へと変貌を遂げたラーメンの過去100年の歴史にも触れているので、あなたもラーメンヘッズと言うのであれば観ておかなくてはならない映画だ。

キャスト:富田治、飯田将太、大西祐貴 監督:重乃康紀

3.ラーメンガール

恋人と一緒に暮らすためにはるばるアメリカから日本へやってきた主人公のアビーだったが、彼との突然の別れから、縁もゆかりもない東京で一人きりになってしまう。ある夜、一人でラーメン店に入ったアビーだったが、閉店後だったため追い出されそうになる。しかし、悲しみに暮れる彼女を見た店主とその妻は嫌々ながらもラーメンを一杯出すことに。この出会いを契機にラーメンに魅せられたアビーは店主・前住の弟子になることを決意。最初は拒否され続けたものの、後に熱心さが伝わり、弟子としてのラーメン修行の日々が始まる。物語の最後には、母国アメリカへ戻ることとなったアビーだが、惨めだった東京での生活で出会った一杯のラーメンから彼女は救われ、人生を良い方向へ変えることが出来た。美味しそうなラーメン屋そのストーリーだけでなく、豪華な日本俳優陣たちと主役のアメリカ人女優の印象的な掛け合いが、本作の見所とも言えるだろう。

キャスト: ブリタニー・マーフィー、西田敏行 監督: ロバート・アラン・アッカーマン

4. ラーメン侍

最後に紹介する映画の舞台は、とんこつラーメン発祥の地とされ、ラーメンのメッカとも言われる福岡県久留米市。ラーメン店を営んでいた父の訃報を受けた光は、東京のデザイン会社を辞め、父のラーメンの味を守るため地元・久留米の店を引き継ぐことを決意する。失敗を重ねながらも光は幼少期の記憶を頼りに父の味を再現しようとし、最後には父のそれとはまた違う自分自身の味に辿り着く。父の背を追う息子の粘り強さと心温まる親子の絆はもちろん美しいのだが、それ以外にも他の映画ではなかなか見ることの出来ない福岡のラーメン屋台の文化が描写されていることにも是非注目して観て欲しい。

キャスト: 渡辺大、山口紗弥加 監督: 瀬木直貴

 

醤油でも塩でも味噌でも、なんなら北海道のカレーベースのスープでも、ラーメンは日本のソウルフードだ。提供時間こそ早いが、長く、そして深い歴史を持つ日本食だ。ここで紹介した4本の映画は、ラーメンの作り方やラーメンに人生を捧げる職人たちの生き様を見せてくれるが、あなたのお腹を満たすことは出来ないだろう。映画で心を満たした後は、お腹をいっぱいにしてくれるラーメンを日本全国食べ回ってみてはいかが?

Edited By GPlusMedia

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